一等無人航空機操縦士 計算問題

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一等無人航空機操縦士座学試験には計算問題が出る

近年注目を集めるドローン業界において、高度な知識と操縦技能を証明する「一等無人航空機操縦士」の資格は、プロフェッショナルとして活躍するための重要なステップです。その試験において、多くの受験者が苦手意識を持つのが計算問題です。

計算問題はこちらのページからサンプル問題が出ていますが、公式を知らないと全く分からないですよね。
まずはこちらのサンプル問題の解説をしていきたいと思います。

サンプル問題1

飛行機が、飛行速度25m/s 、バンク角 30°で定常旋回した時の 旋回半径として、正しいものを1つ選びなさい。 ただし、重力加速度は 9.8m/s2 、tan 30°= 0.58とする。電卓が 使用可能である。
a. 105m
b. 110m
c. 115m

解き方

問題文を読むと、求めるものは旋回半径ですね。
旋回半径を求める公式は、R = V² / (g * tan(θ)) です。公式見ても意味が分かりませんね。

まずはこの記号を理解していく必要があります。記号は下記のとおりです。

R: 旋回半径 (メートル)
V:飛行速度 (メートル毎秒)
g:重力加速度 (約 9.8 m/s²)
θ::バンク角 (ロール角、度またはラジアン)

これを公式に当てはめていくと、下記の様な日本語の式になるのが分かります。
旋回半径 = 飛行速度² ÷ (重力加速度 × バンク角)
もう日本語で覚えた方がいい気がしますね。覚えやすい方で公式を覚えましょう。

この日本語に問題文の数字を当てはめていくと、
飛行速度=25
重力加速度=9.8
バンク角=0.58
このようになります。次はこれを式に当てはめていきます。
25 ² ÷ (9.8 × 0.58)
25 ² は 625 になります。
9.8×0.58 は 5.684 になります。
では最後に 625 ÷ 5.684 を計算すると、109.95≒110が求められます。

よって答えは、b.110mとなりますね。

このように公式をまずは日本語に分解し、当てはめていくと、計算自体はそんなに難しくないことが分かります。

サンプル問題2

使用周波数が2.4GHz、送信側と受信側の距離が1,400mの場合のフレネルゾーン半径の60%の値(m)として、次のうち最も適切なものを1つ選びなさい。ただし、光速は3×108m/sとし、 2=1.41、 3 =1.73、 5 =2.24、7 =2.65を用いてもよい。電卓が使用可能である。
a. 4.0m
b. 4.5m
c. 5.0m

解き方

次はフレネルゾーン半径を求める計算です。
フレネルゾーン半径を求める公式は、 R = √(λ * (d / 4)) です。意味が分かりませんね。
また、これも日本語に直していきましょう。

R:フレネルゾーン半径 (メートル)
λ:波長 (メートル)
d:送信アンテナと受信アンテナ間の総距離 (メートル)

日本語の計算式にすると、
フレネルゾーン半径 = √(波長 × ( アンテナ間の総距離 ÷4))
このようになりますが、更に波長を求める計算も必要となります。

波長は、  3 ÷(周波数GHz × 10) で求められます。まずは、波長を求めましょう。
3 ÷ (2.4 × 10) = 0.125
波長はこのように求められますが、2.4GHzは、0.125です。これは覚えてしまった方が早いので、覚えましょう。

2.4GHzは0.125 ◀ 覚える

ではフレネルゾーン半径の計算に戻りましょう。
まずは日本語の式に数字を当てはめます。
√(波長 × ( アンテナ間の総距離 ÷4))
波長=0.125、距離=1400なので、式は下記の様になります。
√(0.125 ×(1400 ÷ 4))
これを計算していくと、
=√(0.125 × (350))
=√43.75
≒6.61
このようになりました。

しかしこの問題はこれで終わりではありません。フレネルゾーン半径の60%の値(m) を求められています。なので、最後に0.6をかけてあげましょう。
6.61 × 0.6 = 3.96 ≒ 4
という答えが出せたので、答えは a. 4.0m となります。

復習問題

解答表示

**復習問題1**

ヘリコプターが、水平飛行中に飛行速度20m/s 、バンク角 25°で定常旋回しました。この時の旋回半径として、最も適切なものを1つ選びなさい。
ただし、重力加速度は 9.8m/s² 、tan 25°= 0.47とする。電卓が 使用可能である。

  1. 86m
  2. 92m
  3. 98m
旋回半径 = 20² ÷ 9.8 ÷ 0.47 = 86.8
正解は **a. 86m** です。

**復習問題2**

小型機が、飛行速度35m/s 、バンク角 35°で定常旋回しています。この時の旋回半径として、最も近いものを1つ選びなさい。
ただし、重力加速度は 9.8m/s² 、tan 35°= 0.70とする。電卓が 使用可能である。

  1. 125m
  2. 130m
  3. 175m
旋回半径 = 35² ÷ 9.8 ÷ 0.70 = 178.5
正解は **c. 175m** です。

**復習問題3**

ドローンが、飛行速度18m/s 、バンク角 20°で定常旋回を行いました。この時の旋回半径として、正しいものを1つ選びなさい。
ただし、重力加速度は 9.8m/s² 、tan 20°= 0.36とする。電卓が 使用可能である。

  1. 88m
  2. 90m
  3. 92m
旋回半径 = 18² ÷ 9.8 ÷ 0.36 = 91.83
正解は **c. 92m** です。

**復習問題4**

使用周波数が2.4GHz、送信側と受信側の距離が1,000mの場合のフレネルゾーン半径の60%の値(m)として、次のうち最も適切なものを1つ選びなさい。ただし、光速は3×10⁸m/sとし、√2=1.41、√3=1.73、√5=2.24、√7=2.65を用いてもよい。電卓が使用可能である。

  1. 2.7m
  2. 3.0m
  3. 3.3m
**解説:**
第1フレネルゾーン半径 √(0.125 m * 1000 m / 4) = √(31.25) ≈ 5.59 m
60%の値 = 0.6 * 5.59 m ≈ 3.35 m
最も適切な選択肢は **c. 3.3m** です。

**復習問題5**

使用周波数が2.4GHz、送信側と受信側の距離が1,800mの場合のフレネルゾーン半径の60%の値(m)として、次のうち最も適切なものを1つ選びなさい。ただし、光速は3×10⁸m/sとし、√2=1.41、√3=1.73、√5=2.24、√7=2.65を用いてもよい。電卓が使用可能である。

  1. 3.6m
  2. 4.0m
  3. 4.4m
**解説:**
第1フレネルゾーン半径 = √(0.125 m * 1800 m / 4) = √(56.25) = 7.5 m
60%の値 = 0.6 * 7.5 m = 4.5 m
最も適切な選択肢は **c. 4.4m** です。(計算結果に最も近い値)

**復習問題6**

使用周波数が2.4GHz、送信側と受信側の距離が500mの場合のフレネルゾーン半径の60%の値(m)として、次のうち最も適切なものを1つ選びなさい。ただし、光速は3×10⁸m/sとし、√2=1.41、√3=1.73、√5=2.24、√7=2.65を用いてもよい。電卓が使用可能である。

  1. 1.9m
  2. 2.1m
  3. 2.3m
**解説:**
第1フレネルゾーン半径 = √(0.125 m * 500 m / 4) = √(15.625) ≈ 3.95 m
60%の値 = 0.6 * 3.95 m ≈ 2.37 m
最も適切な選択肢は **c. 2.3m** です。(計算結果に最も近い値)

まとめ

計算問題と聞くと敬遠しがちですが、公式を覚えてしまえば、計算自体は難しくはないですね。
しかし、今回の記事で紹介しきれていない公式がまだあります。【水平距離の計算】や【消費パワーの計算】、【滑空距離の計算】などありますので、またの機会にご紹介できればと思います。

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