ドローンの操縦、モード1とモード2の違いとは?
操縦を行う送信機「プロポ」には、操縦方法がいくつかあります。それら操縦方法にはモード1、モード2…と名前が付けられていますがどのような違いがあるのでしょうか。
今回はその操縦方法、「モード」の違いについてお話しします。
そもそもプロポって?
ドローンを操縦するにあたり、動きを操作する【 プロポ 】という送信機が必要です。ドローン本体とは別に存在するこのプロポは、身近な言葉で代用すると「コントローラー」や「リモコン」のようなものです。
▶なぜプロポと言われているのか…?
プロポの語源は「プロポーショナル(比例する)」です。プロポの操作はスティックの角度に比例しています。スティックを大きく倒した場合は速く進み、スティックを少さく倒した場合はゆっくりと進みます。このようにスティックの角度に比例してプロポ(送信機)がドローンに動作指示を与えることのできる、「プロポーショナルなコントローラー」として【 プロポ 】と呼ばれるようになりました。
モードとは?
それではこのプロポのスティック操作、モードについてお話致します。
モードによって、スティックに与えられる指示が変わります。ここではスティックの動きに番号をつけてご説明致します。
▶ モード1による操縦
モード1のスティック操作は下記表の通りです。
★★★★★★★★★★
【 左手 】
(1)前進
機体が向いている方向に進みます。
(2)後退
機体が向いている方向とは逆方向に進みます。
(3)左回転
機体が反時計周りに回転します。方向転換する際に使用します。
(4)右回転
機体が時計回りに回転します。方向転換する際に使用します。
【 右手 】
(5)上昇
機体の飛行する高さを上げます。
(6)下降
機体の飛行する高さを下げます。
(7)左
機体の向いている方向から左手に進みます。
(8)右
機体の向いている方向から右手に進みます。
★★★★★★★★★★★
モード1は日本でのラジコン飛行機を操縦する人々の間で、最も使用されている操作モードです。
▶モード2による操縦
モード2のスティック操作は下記の通りです。
モード1では左手操作だった前進後退の操作が右手操作となり、上昇下降が右手操作から左手の操作へとと入れ替わっています。
★★★★★★★★★★
【 左手 】
(1)上昇
(2)下降
(3)左回転
(4)右回転
【 右手 】
(5)前進
(6)後退
(7)左
(8)右
★★★★★★★★★★
モード2はラジコンをはじめ、ドローンの操縦において、日本以外のほとんどの国で最も使用されている操作モードです。
ヘリコプターのサイクリック・コントロール(前後左右)、及びコレクティブ・ピッチ・コントロール(上昇・下降)の操縦に似ていることでも知られています。
一般的に使われるモードは上記のモード1及びモード2ですが、他にもモード3、モード4があります。これらは左利きの操縦者の為に用意されたものです。しかし実際には、左利きの操縦者もモード1もしくはモード2を選択していることが多いので、使用率は低くなっています。
▶モード3による操縦
モード3はモード2の左利き用です。
★★★★★★★★★★
【 左手 】
(1)前進
(2)後退
(3)左
(4)右
【 右手 】
(5)上昇
(6)下降
(7)左回転
(8)右回転
★★★★★★★★★★
▶モード4による操縦
モード4はモード1の左利き用です。
★★★★★★★★★★
【 左手 】
(1)上昇
(2)下降
(3)左
(4)右
【 右手 】
(5)前進
(6)後退
(7)左回転
(8)右回転
★★★★★★★★★★
モード2を推奨する理由
スクールの指導はモード2で行います。
モード2のスティック操作は、固定翼機(飛行機など)や、回転翼機(ヘリコプターなど)の舵面の仕様・対応関係が非常に近いです。つまり数あるモードの中で、モード2が最も飛行機やヘリコプターなどの操縦感覚に近いということです。その操縦方法が適切であるという根拠のもと、実機で採用されているので、実機と同じ操縦方法であるということは、十分な操縦性を備えていることになります。
また、モード2は世界的に最も使用されているモードであるということです。ドローンのさかんな中国やアメリカの発売するドローンは、モード2に設定されて輸入されます。購入後に設定を変更することも不可能ではありませんが、輸入されるドローンのほとんどは初期設定がモード2です。SIドローンスクールで使用する機体も世界的にも使用されている、中国のDJI社のもので、初期設定はモード2です。
ただ、今後日本製のドローンを購入予定である場合や、日本のラジコンチーム(モード1利用者の集まる)などに属する予定がある場合はモード1の取り入れを検討してみてもいいかもしれません。
▶モードの選択
モード1もモード2も操縦可能である、というような「複数のモードに対応できる」という操縦者は多くはありません。そこに至るまでには多くの時間と経験が必要です。ドローンの操縦は体にスティックの感覚を覚えこませて感覚的に行います。常に風の変化がある上空で安全にドローンを飛ばす為には、状況に応じた微調整を即座に行えることが重要です。
飛行していくうちに体に染みつく指の感覚を、モードや機体ごとに変化させるのは難しいので、ドローンの練習を始める際にはよく考えて選ぶようにしましょう。